大雪の時の住宅被害

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更新日:2023/02/17

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大雪による被害は、除雪中の人的被害がある一方で、建物への被害も多く発生しています。積雪荷重による家屋の損壊のほか、屋根からの落雪などにより軒下にあるガス供給設備が損傷してしまい、ガス漏れ事故となるケースも少なくありません。雪が積もる前に、屋外のガス供給設備周辺などを点検・確認しておきましょう。

大雪の時は軒下の ガス供給設備に要注意

大雪による被害は除雪中の事故被害のみならず、建物への被害も多く発生しています。
消防庁によると、雪による全壊や半壊、一部破損などの住宅被害は、昨冬(2021年11月〜2022年4月)は、全国でおよそ700棟でした。
しかし2013年11月〜2014年3月には、関東甲信地方で記録的な大雪となったこともあり、全国でおよそ6,000棟にも及ぶ住宅被害が発生しています。
この時の被害を調査した国土交通省の報告によると、全壊の被害があったほぼすべての地域で雪下ろしの慣習などがなく、全壊した建物すべてが築30年以上の木造でした。
全壊に至った原因として、想定以上の積雪荷重が老朽化した木造建築物に作用したことによるものと推定しています。
雪による住宅被害の多くは積雪荷重による家屋の損壊被害です。
しかし、屋外にあるLPガス供給設備(調整器など)が落雪などの衝撃で損傷し、ガス漏れ事故となる被害も多く発生しています。
2021年1月に秋田県で発生した事故は、住宅1棟が全焼、死者1名が出た爆発火災事故でした。
経済産業省が実施した現地調査によると、屋根からの落雪により、屋外にあるガス供給設備が損傷してガス漏れが発生したところに、さらに、雪下ろしによって家屋が雪に囲まれている状態であったため、家屋の周辺や床下に漏れたガスが滞留し、何らかの原因でガスに着火して爆発したものと推定されています。
ガス供給設備の損傷箇所は、主にガスボンベやメーターなどです。
ガス供給設備が損傷し、ガス漏れ事故となる原因は、「繰り返しの降雪を経て圧雪された固い雪や雪庇の自然落下の衝撃」「雪下ろし作業による落雪の衝撃」「自然に積もる雪や除雪した雪による荷重負荷」などです。
また、重機などを使用した除雪作業時に誤って破損させていた事例もあります。

〈ガス供給設備の雪害事故対策〉

○定期的に屋根等からの雪下ろしを行い、雪庇の発達や大量の落雪を防ぐこと
○ガスが万が一漏れた時でも滞留しないよう、供給設備周辺の除雪を行うこと
○重機などによる除雪の際には、作業者にガス供給設備の位置を伝えること
万が一ガス漏れがあった場合は、速やかにガス販売事業者などに連絡しましょう。また、LPガス供給設備などは「積雪により埋没するおそれのない位置又は雪囲いを施す等によって保護された位置であること」といった保安基準が法令で定められています。LPガスをお使いの場合、雪が積もる前にご自分で出来る予防対策をするとともに、ガス供給設備周辺を販売事業者に点検してもらうことが大切です。大雪は住宅や家財に被害が生じるおそれがあるため、万が一の「備え」もこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。

また除雪作業についてもくれぐれもご注意ください。

【除雪作業の注意点】

•除雪機に詰まった雪の除去は、エンジンを止めてから
•2人以上で作業。やむをえず1人の場合は、家族や隣近所に声を掛けて
•作業前には、流雪溝や水路等の危険箇所を確認
•ハシゴはしっかり固定し、昇降時は特に注意して
•高所作業中は足を滑らせないよう注意。ヘルメットや命綱等の安全対策を
•軒下での作業は、屋根からの落雪に注意
•無理をせず、こまめに休憩

今まで大丈夫だったからといって過信せず、しっかりと注意をして作業を行っていただけたらと思います。