防犯対策

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空き巣などの住宅を狙った侵入窃盗が、毎年多く発生しています。ガラスを破って窓から侵入といった犯行手口が多く、防犯性能が高い建物部品の取り付けを検討する必要もあります。侵入手口などのほか、侵入者の行動や心理をヒントに防犯対策を講じて、安全で安心な住まいにしましょう。

住宅の侵入窃盗の手口は?

マンションなどの集合住宅(共同住宅)は、オートロックや防犯カメラといった、防犯設備がある建物が年々増えています。一方、戸建て住宅の場合は、玄関や窓のほか、庭やガレージなど侵入経路が多く、防犯対策の取り組みには苦労されているのではないでしょうか。

実際、警察庁によると、2020年中の侵入窃盗の認知件数は、近年は減少傾向にあるものの4万4,093件発生しており、このうち住宅対象の件数は2万1,030件でした。じつに1日あたり約58件の住宅対象侵入窃盗が発生していることになります。

発生場所別の割合は、「共同住宅(3階建以下と4階建以上を合わせて)」が13.6%であるのに対して、「戸建て住宅」は37%ともっとも多くを占めています。 侵入窃盗の侵入手口は、共同住宅・戸建て住宅とも「無締り」が約半数を占め、いずれの形態の住宅でも「無締り」での被害がもっとも多く、日頃から出入口や窓には確実に施錠をする習慣を身に付けておくことが大切です。

次いで多いのが「ガラス破り」「ドア錠破り」「合鍵」などです。侵入口は「窓」「表出入口」がほとんどで、侵入を防ぐには、防犯性能が高い建物部品の取り付けなどを検討する必要があります。

ドアと錠

施錠式やツーアクション式など、耐サムターン回し性能の高い「防犯サムターン」への交換を検討しましょう。施錠部分のデッドボルトとストライクは、バールなどを差し込んで受座をこじ破る手口に耐えるよう工夫されたものにし、シリンダーは、ピッキングに強い複雑な構造で、ドリル攻撃にも耐える強固なものに交換することを検討しましょう。ドアの強度は、金切りばさみなどで切り破られない材質を使うなど、強固なつくりのものが有効です。

ガラス・窓サッシ・雨戸

「防犯ガラス」は、強靭な中間膜(特殊フィルム)が内部に密着されているため、通常のガラスに比べ破壊されにくくなっています。「防犯フィルム」も、ガラスに一枚全面貼りすることで有効です。防犯建物部品は、サッシに「外れ止め」「ロック付きクレセント錠」「補助錠」の取り付けや交換、雨戸やシャッターには「外れ止め」のほか、レールの強化、材質が強化されたものに交換することを検討しましょう。窓に取り付ける「面格子」は外されにくく、切断されにくいので有効です。

侵入者の行動と心理を読み解く

狙われやすく、侵入されやすい住宅とは? 侵入窃盗をする者には、その行動と心理に特徴があります。警察庁では、侵入窃盗の犯罪傾向をわかりやすくプロファイリングして、注意を促しており、防犯対策のヒントにしましょう。

侵入者は下見をして留守を見抜く

侵入者は下見を行うことが多いといわれ、おもに「庭木などの死角」「足場」「窓のクレセント錠の位置」「犬の有無」などをチェックします。周辺の事情についても「駅に近いこと」「立ち話をしている人がいないこと」「通行人が少ないこと」などを確認すると考えられています。留守を見抜く方法としてもっとも多いのが「インターホンの呼び出し」です。鳴って出ても誰もいない場合は注意する必要があります。

侵入口は窓

もっとも多い侵入口は窓です。侵入者はドライバー1本さえあれば、窓ガラスを破り、手を差し込んでクレセント錠を外して侵入します。

侵入者の必需品

侵入被害を防止するための、いわゆる「ピッキング防止法」があります。一定条件の工具などを、正当な理由がなく隠し持っていることは法律違反となりますが、侵入者は、このような工具を持っていると考えられます。

実際の元泥棒に「侵入に手間取りあきらめる時間」について調査したところ、「2分」が約17%、「2分を超え5分以内」が約51%でした。つまり、侵入に5分かかると、侵入者の約7割があきらめることがわかりました。

じろじろと見られることを嫌う

侵入者は「近所づきあいが良く、連帯感のある住宅街」を嫌います。 侵入犯罪者の約6割が「声をかけられたので犯行をあきらめた」と答えています。

 侵入させない防犯対策 

○玄関ドアや窓は、侵入に「5分」耐えることができるような、防犯性能が高い建物部品や、補助錠の取り付けなどをして、短時間でこじ開けられることを阻止しましょう。不在にする時は雨戸などを閉め、少しでも侵入に時間をかけさせるようにします。

○外出時に鍵を玄関先の植木鉢の下やポストに隠すことは、それを侵入者が見ている可能性があるため危険です。

○郵便受けに新聞や手紙が溜まることがないよう、旅行などで留守にする場合は新聞をとめましょう。

○指定日以外にゴミが出ていると、地域の連帯感が薄いとみられ、侵入者に安心感を与えると考えられます。ゴミの指定日を守りましょう。

○不審者を見かけたら「何かご用ですか?」などと声をかけましょう。

侵入者は、常に「もっとも簡単に侵入できる方法」を考え、手口を研究しています。侵入者の出方・手口を知り、家の防犯対策に役立てましょう。

空き巣などの住宅を狙った侵入窃盗は、いまだに多く発生しています。住宅に侵入させないためには、防犯性能の高い建物部品の活用のほか、侵入者の行動や心理をヒントにした防犯対策が有効です。
とはいえ、万全な対策をしたはずなのに、侵入され被害に遭うことがあるかもしれません。万が一の「備え」もこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。