最近では、購入しようと思った物件の所有者が外国人だった、というケースもよく目にします。
不動産取引の現場で注意すべきことは何でしょうか。
売主の本人確認
まず一番大切な手続きが、売主の本人確認です。
以前、地面師による大掛かりな不動産詐欺事件が紙面を賑わせましたが、不動産取引は多額な取引となるため、詐欺やトラブルのネタになるケースも少なくありません。
そのため、売主が本当にその不動産の所有者であるのか、本人であったとしてもきちんと売却の意思があるのかを確認する必要があります。
現在のコロナ禍においては、来日して直接の面談が難しいケースもあります。
その場合には、WEB会議システムなどを使いながら意思確認を行う必要があります。
売主の住所地の確認
次に、売主が、日本に住民登録があるかないかで手続きが大きく変わります。
日本国内に住民登録がある場合には、日本人と同じように印鑑証明書を取得できますので、実印による押印と印鑑証明書で手続きを進めることができます。
一方で、日本国内に住民登録がない場合には、住所地の本国においてサイン証明書を用意してもらうことになります。
その準備には時間がかかる場合もありますので、注意が必要です。
手付金や売買代金の支払方法
もう1つ注意したい点が、手付金や売買代金の支払方法です。
売主が日本国内の金融機関に口座を持っている場合は問題ないのですが、海外の金融機関にしか口座を持っていなかった場合には、着金のタイミングについての調整が必要となります。
海外送金の場合には、送金と同日に入金の確認が取れないケースもあります。
送金と鍵の引渡しを同日に行うことが一般的ですが、着金の確認が同じタイミングでできないため、間に入った不動産仲介会社が鍵の受け渡しを請け負う、日本国内に決済用の口座を作るなど、段取りが必要となります。
これらの他にも、不動産所有者が外国人であった場合には、一般的な不動産取引に比べて注意すべき事項が多くあります。