首都圏では様々なタイプの地震の発生が予想されています。
首都圏で地震が発生する仕組みは、大きく、プレート内やプレートの境界で発生する「海溝型」と、陸域の浅い所で引き起こされる「内陸型」に分けられます。今回は、「内陸型」の地震発生のメカニズムについて触れ、首都圏に存在する活断層についてお話したいと思います。
内陸型地震を引き起こす活断層
陸のプレート内では、長い年月をかけて地下の岩盤に力が加わっています。岩盤の弱い所にひずみが蓄積し、限界に達すると岩盤は断層を境に急速に動きだし、地震が発生します。過去に地震を引き起こし、将来も地震を引き起こすと考えられている断層のことを「活断層」と呼び、現在、日本では2000を超える活断層が存在しています。しかし、まだ見つかっていない活断層もあると言われており、活断層が見つかっていない場所でも地震が発生する可能性があります。
活断層によって引き起こされる地震は、プレートの移動による影響を受けるものの、活動周期が千年から万年など超長期であり、発生確率は必ずしも高くありません。しかし、阪神淡路大震災や熊本地震のように突然発生し、陸の浅い場所で揺れていることが多いため、被害が甚大になる可能性があります。活断層による地震に備えるための第一歩として、まずは自身の周りにある活断層の所在を認識することが重要です。
首都圏の活断層はどこにあるのか
政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は、関東地域の陸域及び沿岸域に分布し、M6.8以上の地震を引き起こす可能性のある活断層について評価をしています。
発生確率が高い順に、赤色は「30年以内の地震発生確率が3%以上」、黄色は「30年以内の地震発生確率が0.1%~3%」、黒色は「30年以内の地震発生確率が0.1%未満」、灰色は「地震発生確率が不明」を示しています。首都圏において発生確率の高い~やや高いといわれている断層は、下記に位置しています。
•「三浦半島断層群」(14・15番):神奈川県三浦半島の中・南部
•「塩沢断層帯」(18番):神奈川県足柄上郡山北町から静岡県御殿場市
•「深谷断層帯」(8番):群馬県高崎市から埼玉県鴻巣市
•「立川断層帯」(12番):埼玉県飯能市から東京都府中市
•「平山-松田北断層帯」(19番):神奈川県南足柄市から足柄上郡
•「曽根丘陵断層帯」(22番):山梨県甲州市から西八代郡市川三郷町
なお、確率が高いものから先に地震が起こる、反対に確率が低いから地震が起こらないということではないことに留意が必要です。また、活断層によって引き起こされる地震では、震源に近い地域で、緊急地震速報より先に強い揺れが到達する可能性があります。身近に存在する活断層について知り、理解を深め、突然の揺れに十分に身構えることができない場合も想定した事前の準備を心がけましょう。
また、住宅購入の際にもチェックしておく重要な項目となりますので、ある程度のエリアが決まってきましたら、確認しておく事をおすすめします。